音の周りに
Crystalソロとしては初となる12inchシングル、”Heavenly Overtone“の本盤が、遂に手元に来た。
早速レコードをターンテーブルにセットして、針を落として聴いてみる。
聴き終わった時、この曲が「完成」したことが分かった。
音楽的には、録音・アレンジ・ミックスを経て、24bit/48khzのwav形式でデータを書き出した時に完成している。
そのデータをCrue-L瀧見憲司氏が音圧・音質の調整を施しマスタリングし、そのマスターがレコードのプレス工場に送られ、テストプレスが上がってくる。この時点でテストプレスに問題はなかったので、そのまま同じように本盤もカッティングされている。
だから音的にはテストプレスと本盤には、何も変わりはない。でも、真っ白なテストプレスのラベルではなく、きちんとデザインされたラベルが印刷され(ラベルのデザインは井口弘史氏によるもの)、Crue-Lのお馴染みのしゃぼん玉&サンセット(サンライズ?)のスリーヴに包まれた、この本盤を聴いた時、初めて「完成」したと思ったし、音も格段に良く聴こえた。
音楽は、音だけを聞くわけではないのかもしれない。
僕がつくった曲が、Crue-Lによりレコード・プレスされ、全国のレコード・ショップで売られ、買ってくれる人がいて、どこかのクラブや部屋のターンテーブルに乗ってプレイされる。その間に無数に存在するであろう手や、気持ちの流れ。
本盤を聴いた時に、その音の周りにある/そしてこれから生まれるであろう何かも、聴こえた気がする。
そしてDJは、音楽をつくる人は、音の周りにある何かをどれぐらい音に乗せられるのかがすべてだとも思う。それは技術的な上手い下手とは一切関係がなく、その人が奏でる音をほんの一瞬聴いただけで、分かってしまう。残酷なぐらいに。
次の作品にも、その「音の周りにある何か」をありったけ込められたらいい!゚∀゚)ゞ